佐渡島の思ひ出 プレ夏萎えまくり紀行


面子;土肥、山田(Ⅲ)、藪内、西納(文)


 8月10日。朝。バイトのせいで自ら企画したはずの能登半島に行けず、さらに輪行失敗で一人直江津に取り残された僕は、やっとのことで佐渡島に上陸することができた。

フェリー乗り場のすぐそばのテン場に行くと、先に来ていた藪内さん、山田さん、それに土肥さんがもそもそと飯を食っていた。早速出発。佐渡島の海岸沿いを快調に走っていく。時折きれいな砂浜も見えるが、大抵はごつごつとした磯が多い海岸である。まずは沢崎鼻の小木海岸で休憩と思ったら土肥さんが行方不明。しばらく待っていたがなかなか来ないので心配になった3人は「捜索ジャン」発動。山田さんが負け、土肥さんを探しに行く。が、すぐに発見。どうやら土肥さんの使っていた「古文書」(=古いマップルのこと。今でも院生・社会人クラスの人は3代目マップルを愛用することが多い)に新しくできたトンネルが載っていなかったせいで道を間違ったようだ。沢崎鼻は海が本当にきれいだった。灯台もなかなか雰囲気がいい。近くの農家のおばあちゃんからもらったトマトを食べ、再び出発。佐渡島は基本的に細い道ほどエグい。海沿いにせり出した田んぼの中のわけわからん激坂を上り下りし、挙げ句の果てにはなぜか未舗装の0.9キロ砂ダートを突破し、やっと国道に出た。途中、藪内さんがしきりにバトルを挑んできたが、ちょいちょいっと負かしてやったりした。真野湾沿いの国道を快適に走り昼飯に。それからまたひたすら走り、七浦海岸を抜けて春日崎で休憩していると、二人組の女性サイクリストと出会う。二人とも東京から遊びに来ているそうで、今晩はユースに泊まるそう。少し走ってスーパーで買い出しし、風呂とテン場を目指す。が、マップルに載っていた平根崎温泉は日帰り湯はやってないとのこと。残念。また少し走ってから海岸沿いの有料キャンプ場でテン場ることに。キャンプ場の管理人さんの家に行ったが留守だったので結局勝手に使ってもいいだろうと言うことで今日はここまで。キャンプ場併設のシャワーで水浴びし、近くの酒屋でビールを買い、カレーを作って就寝。京都での昼夜逆転生活と昼間にフリーの終点で昼寝しまくったせいで夜はほとんど眠れなかった。


 8月11日。朝。雨。風。悪天候と寝不足で走る気ゼロ。山田さんと藪内さんは離脱するために世にもエグい大佐渡スカイライン(ちなみにこのあとの夏合宿で出会った新潟大学のサイクリング部の人たちに話を聞いたが、新潟大サイクリング部はうちの部の春合宿に相当する「佐渡合宿」があるらしい。毎年部員全員で佐渡を走るらしいのだが、そのときにこの大佐渡スカイラインでタイムトライアルをするらしい)を越えて両津へ。土肥さんも走りたそうだったが、僕は全く体が動かなかったので結局テン場のシャワーの更衣室で停滞。土肥さんごめんなさい。僕はひたすら眠り、土肥さんは近くのおじさんと延々しゃべっていた。夕飯は昨日の残りのカレーのルーを使い、肉は近くの零細商店のソーセージを買って鍋にぶち込む。調理の途中で親父からもらったJフィールドのガス火器の火力調整ねじが壊れ、火器がファイヤーに。もう使い物にならない・・・。この日も昼寝のせいで夜全く眠れず。こんなツアーでいいのだろうかなあ。

 

8月12日。昨日の遅れを取り戻すべく走り出す。日本海を長めながら外海部海岸を爆走。マップルでは「H16年現在土砂崩壊通行止め」になっている県道佐渡一周線はつい昨日に通れるようになったそう。道は細く険しい。登りきったあとで再びダウンして大野亀へ。本当に亀のようにこんもりした大岩が岬の先端に突きだしている。大野亀は標高167メートルの頂上まで登山道がついている。急な斜面を登りきり、大きな灯籠(昔は常夜灯として使われていたらしい)のある頂上に出ると、日本海の青い青い海が目に飛び込んできた。二ッ亀を過ぎ、弾崎の灯台を見てから、内海府海岸の道を走る。海は外海府ほどはよく見えない。昼には両津に到着。フェリーの時間を確認してから昼食。その後は土肥さんは県道81号のドンデン山笠へ。昼にビールを空けてしまい体力気力共に萎えきった僕はそのまま道の駅芸能とトキの里へ。道の駅のベンチで延々昼寝。土肥さんが戻ってくるのを待って風呂へ。椎崎温泉で汗を流し、両津市内へ戻って買い出し。テン場は先の道の駅にする予定だったが、また戻るのも面倒だったし、フェリー乗り場のすぐそばにある港公園でテン場ることに。面子が二人になったので大鍋は使わずに僕が京都から持ってきた特大フライパンで野菜炒めを作って食べる。佐渡の地酒を飲み、ゆっくりと眠る。


8月13日。朝一のフェリーに乗り新潟へ。危うく乗り遅れそうになる。新潟港からまずは新潟駅前のアウトドアショップに行き、新しい火器を買う。その後は県道3号を延々走り新発田市へ向かう。マップルおすすめのラーメン屋「みやむら」で名物もつラーメンを堪能し、国道290号に入ってうだるような暑さの中を走り朝日スーパーラインを目指す。手前の村上市内のジャスコで買い出しを済ませ、国道7号沿いの道の駅朝日へ。国道は海水浴客や帰省の車でごった返していた。道の駅併設の温泉で汗を流す。どうやらライダーの人も多く利用しているようだ。夕飯を作る段になって特大フライパンを佐渡島に忘れてきたことに気付く。仕方なくコッヘルで野菜炒めを作って食べ、早々と就寝。


 8月14日。いよいよ朝日スーパーへ。三面貯水池とあさひダムのそばを通るルートは避け、白い道を通って新潟と山形の県境を目指す。小さい白と黒の縞模様をしたアブ(うちの地元では「オロ」と呼んでいるが正式名称は何というのだろう)50匹ぐらいにずっとつきまとわれ発狂しそうになる。やはり短いルートを選んだのが正解だった。県境の少し手前で通行止めになっていたが、ここを越えないと山形に行けないので意を決して進む。ダートのアップを少し走ると県境に出た。下りは延々ガレダートである。通行止めの箇所らしき場所もただ大きな木が倒れ込んでいるだけで自転車なら普通に通過できた。ダートを抜け、麓の大鳥の集落で一休み。ここの上流にある大鳥池にはイワナの巨大化したようなタキタロウという怪魚がいるらしい。そういえば小さい頃にテレビでやっていた探検番組かなんかでプロレスラーの大仁田厚が大鳥池のタキタロウに挑むなんてのがあったのを思い出した。フリーの終点にあった朝日屋という旅館には確かに30センチを越えるイワナの魚拓がいくつも貼ってあった。あとはひたすらダウンして庄内平野へ。遠くには雄大な鳥海山が見える。酒田市の手前の櫛引町というところで一回生の石川が合流。いよいよ夏合宿が始まった。


 続きは北山杉の西納班の記事を読んでくださいな。

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