富岳八景

富岳八景  12月23、24日            fredy(文責)

たった二日間のツアーでは、北斎や太宰のように多くの富士を描くことはもちろん、見ることも不可能である。しかし、今回のツアーではさまざまな富士山を見ることができた。そのことを中心につれづれと書いてみようと思う。

一日目 道の駅しもべ~本栖湖~御坂峠~黒岳登山~笹子峠~富士吉田 

朝六時ごろにテン場の道の駅を出発。前日の3限が長引いたせいで、まったく買出しできなかったため、まずは近くに店がないか探す、が、一軒もない。仕方ないので本栖湖まで向かうことにする。さすがに観光地として知られる本栖湖まで行けば何かあるだろう、と思い、本栖湖への道を登りはじめる。

 しばらくアップして本栖湖畔にたどり着く。たどり着いたのが日の出のほとんどすぐ後だったので、富士の裾から太陽が見えてきれいだった。月並みな表現だが、まさしく良くぞ日本に生まれけり、といった気持ちだった。近くにあった自販機で何か買おうとしたら、さほど標高が高くないにもかかわらず、高地価格になっていた。しかし、湖の対岸の自販機を見てみると通常価格の飲み物が売られていた。本栖湖の飲み物価格は西高東低のようである。

本栖湖畔を過ぎて、精進湖、西湖、河口湖と富士五湖の湖畔を進んでいく。この日の天気は快晴だったため、湖をはさんでの富士山は非常にきれいに見えた。河口湖を過ぎて近くにあったコンビニで買出しをしてから本日一つ目の峠御坂峠に登る。買出しを済ませた後店員の人に御坂峠にこれから登るつもりであることを話すと、大変な道になるからといってバナナを渡してくれ、非常に助かった。

 御坂峠は標高1300メートルとかなり標高のある峠であり、マップルには冬季閉鎖マークがついていたが、峠道からは乗用車のみならずマイクロバスまで降りてくるので機にせず進むことにした。登り始めた地点の標高がかなりあったため、すぐに峠に着いた。峠の向こうのトンネル前にゲートがあることから、ここ以降が通行止めであるらしい。かつてここに来た文人徳富蘇峰が、ここから見る富士山が天下一であると述べ、峠の茶屋を天下茶屋と呼んだというエピソードがあるとおり、頂上からだけでなく登る途中からも美しい富士山の勇姿を見ることができた。

 峠で休んでいると、旧御坂峠への登山道があったので、そちらの法にも行ってみることにする。一時間ほど歩くと旧峠に着いたが、木が生い茂っているせいであまり富士山の姿が見えなかった。どうやら蘇峰が通ったのも現在の御坂峠だったようだ。そこからさらに御坂山塊の主峰、黒岳への登山道が伸びていたので、そちらのほうにも向かっている。頂上には富士山の展望台があったが、そこから見る富士山も御坂峠から見る富士山もあまり変わらなかった。当然といえば当然だが。

 もときた登山道を伝って峠の天下茶屋に戻る。4時間も山道を歩いたため相当に疲れたのでしばらく休む。茶屋に入ってみたが名前だけでなく、売っているものの値段も天下一だった。高所価格が適用されているのだろうか。

 峠を下った時点ですでに4時だった。時間が許せば勝沼ぶどう郷のワイナリーをはしごして、試飲しまくりたかったけど、予定の行程ではこれから二つ峠を越えることになっていた。さすがに急がなければならないので、次の笹子峠に向かう。国道二十号は東京まで続く二桁国道だけあって、かなり通行量が多かった。しかし、旧道に入ると通行量はほとんどなくなり、非常に助かった。道には遮蔽物があったが、暗くてそれが何かよく分からないので、無視して先に進む。

 峠についたころにはすでに真っ暗になっていた。峠のトンネルの横に旧峠へと伸びる登山道があって、そこから見る景色がすばらしいらしいのだが、登っても何も見えるわけがないので先を急ぐことにする。

 峠を下って大月市に入る。本来の予定ではここから北上して、関東有数の酷道として有名なR139松姫峠に向かうつもりだった。しかし、もう日が暮れていることだし、冬季閉鎖になっているはずなので、予定を変更して山中湖方面に向かうことにした。山中湖方面に向かう道も同じR139だったが、こちらのほうもだらだらアップが続き、また交通量がかなり多い、チャリにとっては十分すぎるほどの酷道だった。

 九時ごろにようやくテン場の道の駅富士吉田に着く。名水が湧き出ているため、夏場はたとえ夜でもしきりに人がやってくる道の駅らしい。今回は季節が季節であるため、ほとんど水を汲みに来る人はおらず、静かな中で眠ることができた。

 二日目 富士吉田~山中湖~三国峠~足柄峠~小田原

朝6時ごろに起きて出発。今日も快晴できれいな富士山の眺望が期待できる。山中湖まで行く途中に →忍野八海 と書かれた看板があったのでいってみたが、いくつか池のある近くに売店のあるだけのところだった。こんな朝早くから売店があいているわけがないのでさっさと山中湖に向かう。

 ほとんど走らないうちに山中湖に着いた。西側から見ても東側から見てもやはり富士山はきれいである。湖の北側を回って三国峠へと向かう。ここから見る富士山もまたきれいだった。そのまま平均斜度15%ぐらいの斜面を下って明神峠を過ぎ、小山の道の駅へと向かった。

 小山の道の駅で苔桃ソフトを食べながらきれいな富士山を眺めてから、最後峠足が足柄峠へと向かう。静岡県側からののぼりはさほど険しくなく、簡単に峠にたどり着くことができたが、神奈川県側は常に斜度15%の続く激坂だった。そのためか、ローディーの練習コースになっているようだった。

 峠を下って小田原の駅に着いたのは2時ごろだった。駅近くの青看板の 

 箱根 8キロ

の表示には惹かれるものがあったけど、最低でも2時間後に熱海を出る列車に間に合わなければ京都にたどり着けないので箱根峠はあきらめ手小田原から輪行することにした。しかし、松姫峠とあわせていつかは上ってやりたいと深く思った。

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