デジカメウンチク

デジカメウンチク
BY 山川
 みなさんはツアーにカメラを持って行く派?それとも持っていかない派?ここは意見の分かれるところだと思いますが、最近はデジカメの普及により以前に増して気軽に写真を撮れるようになってきました。そんなデジカメについていろいろ書いてみます。これから長期ツアーに出かける方も多いかと思いますので少しでも参考になれば幸いですが、多分に主観的なのでひとつの考え方としてとらえてください。
選考基準 今からデジカメを買う人は機種選びのときに何を求めますか?まず思いつくのは画素数だと思います。最近ではコンパクトでも800万画素クラスもあるくらいで高画素化に拍車がかかっています。しかしツアーにおいて使うカメラとして僕が望むのは一に耐久性、二に壊れても損害を最小限にする=安い、ことだと思います。まず画素数ですが、そりゃ高いに越したことはありません。高ければ引き伸ばしてもきれいだし、心理的充足感も得られます。しかしL判(一般的なプリントサイズ)で見る分には300万もあれば十分です。高画素のカメラは価格も高くなる傾向もありますし。むしろ大事なのは壊れにくいことです。チャリでカメラを運ぶと、振動、衝撃を免れることは出来ません。ですからこれを一番の優先順位にしてほしいものです。そして、ツアーに持ってくと大体の場合どこかが壊れます。これは覚悟してください。ですから比較的安いものを選ぶことをお勧めします。その他にも手振れ補正機能など付加価値的な機能が搭載されたものがありますが、それは好みで考えてください。メーカーも好みになるかと思います。部員でもさまざまなメーカーのユーザーがいますから各ユーザーに聞いてみるのもいいでしょう。ちなみに筆者はキャノンユーザーです。
メディアは大容量で 写真は撮り惜しみをしたらよくありません。いい写真を残すにはとにかくたくさん撮ることです。そのためにもメディア(SDカード、メモリースティックの類)はなるべく大容量のものを揃えておきましょう。最近は512MB(=メガバイト)や1GB(=ギガバイト)といった大容量のものも大分値が下がってきましたし、メディアはフィルムと違って何度でも使えますから後で買い足すことを考えれば少々高くても思い切って買った方がかえってお徳だと思います。また、たとえその容量全部を使い切ることはなくても、心理的に余裕があることで撮り惜しみすることなく思い切ってたくさん撮ることができます。ケチってはだめです。
サイズ 撮影時の画像サイズは一番大きいのが望ましいですが、どうしてもメディアの容量との相談になるかと思います。メディアが大容量であれば迷わず一番大きなサイズで撮ればよいですし、あまり容量がないときは少し小さめのサイズにして、お気に入りのシーンを撮るときだけ一番大きなサイズで撮るといったように使い分けるのも1つの方法だと思います。
どこに入れて運ぶ? チャリに乗っているときカメラをどこに入れているか?「フロントバッグ」が多数派だと思います。これはお勧めできません。というのもチャリはたとえ舗装路を走っていても絶えず振動を受けていて、これがボディーブローのようにカメラに少しずつ衝撃が蓄積されてしまう。筆者もフロントバッグにずっとカメラを入れていていたのですが特にカメラに変わったところもなく大丈夫だと思っていました。しかしあるとき少し不具合があったので修理に出すと、芋づる式にあちこちから故障箇所が見つかったということがありました。ベストはウエストポーチでしょう。ここなら振動が直に伝わることはないのである程度衝撃を避けられると思います。つまり黒川さんを見習いましょう。
防水はしっかりと 水濡れは基本的に保証外ですし防水対策はしっかりしましょう。ジプロックに入れておけばたいていの雨の浸水は防げますし杉山さんも喜びます。あと、万が一浸水した場合は、電源を入れたりいじったりせずにまず乾かしてみる、そうすると復活することがあるそうです。

全体を見渡して 右の二つの写真を見比べると、左は目的物(ここでは鳥居)を中央に持ってきたがために背景の山が切れてしまっていまい、中途半端な写真になってしまっています。撮影時はどうしても目的物を中央に配置しがちになってしまい、なかなか背景にまで目が行きません。でも少し気をつけて全体を見るだけで下のように安定した写真になります。目的物を中央に持ってこないと慣れないうちはどうしても不安になるものですが、思い切ってやってみましょう。割り切りが肝心です。
手ブレしてませんか? せっかく撮ったのに後で見たら画面全体がブレていた、ということは誰しもよくあると思います。特に暗くなるにつれ起こりやすくなります。人間は完全に静止することができませんから仕方ないのですが、ちゃんと構えることである程度防いでいきましょう。両手でしっかり持って脇を締めること。あんまり静止しようと意識しすぎるとかえって震えてしまいがちなので、力を抜いてリラックスして構えましょう。無駄に中腰になって構えている人もたまにいますが、ブレる原因になるだけで無意味ですから普通に立って撮りましょう。また、シャッターを押す際にカメラ本体も一緒に下がってしまったがためにブレることもあります。ですからシャッターは静かに押すように心がけましょう。いずれも回数を重ね慣れていって癖をつけることが大事です。
保証書を使え カメラはツアーに持って行き続けると一年以内でも大概どっかが壊れます。ですから保証書を有効に使いましょう。たとえ一見不具合がなくても、期限が切れるぎりぎりにお店にもって行って強引に理屈をつけて修理に出してしまいましょう。実は故障箇所があったということもありますので。
全部オートで撮るのもいいけど… ここからは上級編です。今のカメラはよくできていて、カメラ任せにすべてオートで撮ってもおよそうまく撮れています。そしてほとんどの人がそうやっていると思います。しかし中には、夕暮れだったので思ってたより暗く写ってしまっていた、とか、記念碑を撮ったが逆光だったので文字がよく見えない、とかいったこともあると思います。カメラも機械ですからある程度限界があるためこういうことが起こるのは仕方ありません。ですからここでマニュアル設定の一部について説明してみます。

・感度 要するに光を受容する度数のことでISOで表記されます。普通のデジカメならISO100、200、400が、いい機種になるともっと高いものもプリセットされています。感度は高くなるにつれ暗いところも明るく写りますが、ノイズ(ざらつき)が多くなっていきます。人間の目でも明るいところでは鮮明に見えますが暗いところではざらついて見えます、それと一緒です。晴れた日の屋外のような明るい場所ではISO100で十分いけますが、室内や雨天時、さらには夜間になると高い感度で撮らないとフラッシュがあっても真っ暗になってしまいます。オートで撮った場合大体はカメラが自分で明るさを判断して適宜適切な感度を選んでくれますが、もし撮ってみて暗いと感じたら感度を上げて撮り直してみてください。


・露出補正 カメラは写真にしたときに明るさが適切になるように光が入ってくる量を自動的に調節してくれます。その調節は構図全体で決めるため、さっきの逆光の記念碑の例じゃないですが周囲が明るくて撮りたい目的物が周囲より暗い場合でも、カメラは撮影者の目的物が何か分かりませんから、下の作例の左のように全体に合わせて光の量を決めてしまうため目的物が暗く写ってしまいます。そういう時はカメラの露出補正機能を使います。メーカーによってまちまちでしょうがMENU画面から「露出補正」を探したり、+/-みたいなピクトグラムのボタンを押すなりすると数直線のような目盛が現れると思いますが、そのメモリを+の方向に1~2目盛ほどずらしてやります。こうするとカメラは適切と思った量より多めの光をいれて±0のときより明るく写るので、作例右のように暗かった目的物が適切に写ると思います。逆に周囲が暗くて目的物が明るい場合はさっきの目盛を-方向にずらしてやるといいのです。

・ホワイトバランス これは簡単な例えを用いて説明すると、ここに「白」い壁がある、これに蛍光灯の光を当てると青ばんで見える、次に電球の光を当てると黄ばんで見える。このように光源の種類が違うと同じ「白」でも違った色に見えてしまいます。しかし人間はどちらも脳の中で壁を「白」と認識します。デジカメも一緒で、さまざまな光源によって違って見える白を「白」と認識しています。それをホワイトバランスといいます。デジカメには「AWB(=オートホワイトバランス)」、「太陽光」、「曇天」、「電球」、「蛍光灯」etc.がプリセットされています。AWBはカメラが光源の種類を推定して自動的に調整するもので、「太陽光」以下はそれぞれの光源に適したホワイトバランスを出すようにあらかじめ設定されたものです。全機種の初期設定がAWBになっているのでみんなこれで撮っていると思います。もちろんこれでいいのですが、例えば電球のついた室内で撮る場合には、撮影者は光源が電球と分かっているわけですからホワイトバランスを「電球」にして撮ってやると、カメラは電球に合わせてより見た目に近い風合いに写してくれます。AWBではカメラ側が光源を推定してなるべく近づけてくれますがどうしても限界があります。人間でもさっきの例の黄ばんで見える白い壁をただ見るよりも、光源が電球だと認識した上で黄ばんで見える白い壁を見るほうが「壁は白い」と思えるでしょう?余談ですがホワイトバランスを「太陽光」に設定して撮ると、銀塩(フィルム)カメラで撮ったのに近い風合いになります。一度やってみては?
こんなもんですが分かりましたか?かなり独りよがりだったので多分後半は意味不明だと思います。ともかくデジカメは自分なりに使いこなしてください。まずは回数を重ねることが何よりの上達法です。そしてせっかくデジカメには便利な機能がついているのですからいろいろいじってみてください。オートで撮るほうが楽ですし、設定を変えて撮るのはめんどくて勇気もいることですが、一度やってみると楽しいですよ。でもデジカメはメーカーによっても使い方が違いますから、添付の取扱説明書をよく読みましょう。結局言いたいことはそれなのです。

0 件のコメント: