ぽかぽか2月 飛鳥ツアー

ぽかぽか2月 飛鳥ツアー

牧村 雄(03)


今年の2月は信じられないくらい暖かかったですね。むしろ3月のほうが寒かった説。そんななか、にぎやかに飛鳥地方をツアーしてきたので勝手に報告します。


日程:200727日(水)・8日(木)

面子:舟木(05/企画)・松原(06)・花井(06)・大山(04)・牧村(03)・大塚(02)・チェン


27日(水)

BOXに朝5時集合。15分遅れる牧村。BOXには舟木君・花井君・大塚さん・チェンさんがすでに来ていた。BOXを出発してまずは京都駅まで走る。近鉄に乗って輪行1するので京都駅南口の近鉄入口に行ったが、着いたらなぜか一人になっていた。ひとりさびしく輪行。みんなはいつもの烏丸口(北口)で輪行していたらしい。だいぶ時間がかかり、7時ころ近鉄のホームに入ると、自宅から来た大山君登場。このくらいの時間になるだろうと思ったらしい。近鉄急行列車に乗り込む。もちろんそれなりに混んでいる。橿原神宮前駅まで1時間半くらいで到着。

さて、走りましょう。と言ってもまずはすぐ近くの橿原神宮へ。211日の建国記念日(紀元節)の祭事の準備をしているかと思ったら、それほど大掛かりなことはしていなかった。書き初めコンクールの作品の展示をしていた。酒の俵がたくさん飾ってあるところがあり、俵に抱きつく大塚さんなのであった。今年の干支である猪が描かれた大きな絵馬があった。しかし近づいてよく見ると印刷されたパネルであることがわかってがっかり。遠くから見るだけにしておけばよかった。

東に走って本薬師寺跡へ。間違えて通り過ぎてしまうくらい目立たない。民家の庭みたいなところに意味ありげな大きな石がいくつか散在している。チェンさんがくれたチョコレートを食べながら一休み。

次は香具山公園を目指そう。今日のテン場2にできるかも? 見えてきました、誰もがあの有名な和歌3で知っている香具山。意外と小さいのね。なぜかここで香具山公園が立ち消えになり、ちょっと南に走って大官大寺跡へ。ほんまに何もないな。ま、この風景を見ながら想像力をはたらかせて飛鳥ロマンを感じようというところか。あるのは犬のカリントウばかり。あ、犬のカリントウというのは…みんなわかりますよね。形が似てるでしょう。みやびな遠まわし表現ってやつね。ここでチェンさんが食いついてきた。

KARINTO…?”

カリントウはお菓子の名前だと誰かが日本語で説明。さらに頭の中で英作文。

KARINTO means dogs’…”

単語を思い出そうとしていたら、

Oh, shit! (I see.)”

と言われてしまいました。せっかくその単語は避けようと思っていたのに…。

日本で最初の水時計の跡と言われるところに行く。それから飛鳥全体が見渡せるという小高い岡の上へ。若い人々、階段を駆け上る。うーん、なんてのどかなところなんだ。

ここでお昼を過ぎた。駅の近くまで戻ってなんか食べましょう。長崎ラーメンの店があったので入る。麺のかたさが「固めん」の上に「バリカタ」「ハリガネ」というのがあった。ハリガネなんてはじめて聞いたぞ。大山君にとってはなじみのある呼び方らしいが、広島県は関係あるんですかね。ハリガネ頼むヤツ数名。漬物が異様にうまくてみんな食べまくる。チェンさんは角煮ラーメンにラー油をたくさんかけて食べる。めっちゃ辛そう…。

国道169号線を南下して高松塚古墳へ。問題のあった石室、説明のパネルでは例の不祥事については触れられていない。お日様ぽかぽか、つい居眠り。最高の気分だ。近くの無人販売所でネット入りみかんを売っていた。小ぶりなみかんはとてもおいしかった。花井君はみかんの入っていたネットを頭からかぶってくれました。

今日チェンさんはレーパン4みたいに脚にピッタリの黒いパンツをはいていた。そのパンツの両サイドには細長いメッシュ部分があったのだが、その下には肌と同じ色のサポーターのようなものをはいていることがこのとき判明した。「セクシーだな~と思ってたらそんなのはいてたんですか~」と花井君。よく言った!

ここでチェンさんが通りかかった外国人夫婦に話しかけた。どうやらチェンさんと同じマレーシア人らしい。英語の会話を聞いてるうちら、ときどき急に全くわからなくなる。英語とマレー語チャンポンで話しているからだ。大学教授をされているそうで、チェンさんがマレーシアの大学でお世話になった教授をご存知だそうな。僕は“Have a nice trip!” というのが精一杯である。

さて次は鬼雪隠へ向かう。「鬼のトイレ」をみんなで連呼しながら細い道を進む。鬼のトイレに使ったという伝説の残る岩。花井君、岩の上に乗る。でも本当は乗ってはいけません。

石舞台古墳を目指して東へ進んでいくと、舟木君が「きき酒できます」という看板を発見。普通の民家っぽいところに入っていくと、果たしてそこは飛鳥地酒を売る酒屋だったのだ。中に入って試飲。これがなかなかうまい。味は甘口。おばあちゃん巧みにセールストーク。すっかり気に入って、五合瓶3種購入。でかしたな舟木君。県道155号線「野口駐車場前」交差点(JAならけんあすか経済センター近く)から少し南へ行ったところの「脇本酒造」というところです。みんなも飛鳥へ行ったときはぜひ行ってみてください。

石舞台古墳に到着。入場料あるのね…。写真で何度も見たことのあるあの石が現れた。「石舞台」だけど上に乗っちゃだめなのか。上で寝ころんだら気持ちいいだろうな。もともとこれは土の中に埋まっていた石室で、土がどこかに消えてしまって外に出てきたものなのだという。知りませんでした。売店で古代米ソフトクリーム300円をかけてジャン5。花井君1800円負け。

最後は飛鳥寺へ。1400年以上の歴史をもつ日本最古の寺だとか。昔はかなり広大な寺だったようで、敷地は現存するもの20倍あったそうだ。中の大仏はよく見る大仏よりも頬がこけており、やつれた感じである。寺の一角には蘇我入鹿の首塚があった。

ふたたび国道169号線に戻ってきて買出し。暴れる6ことはせず、見切り品をあさる。そして高松塚古墳の中で見つけた良テン場へ向かう。

御飯を食べて歓談していると、どんどん気温が下がってくる。花井君はシュラフにもぐって芋虫7化。チェンさんは「コクーン!」と呼ぶ。コクーンっていうポケモンがいたけど、ちゃんとした英語名詞だったのね(あとで調べてみたらcocoon<繭>だとわかった)。さっきの酒を飲みながら映画の話などする。あと韓流ドラマの俳優は誰が好きかとか。

9時を過ぎると眠くなってきた。けど家庭教師のバイトを終えた松原さんが輪行してこちらに向かっているというから待たねば。こんなに遅くに頑張ってよく来るな~とみな口々に言う。いきさつは忘れたが松原さんはマリ=アントワネット説。舟木君と大塚さんが明日香駅まで迎えに行くことに。花井君はすでに座ったままスリープ。まだ来ないだろうし来るまで少し寝て待つか…と思っていたところに松原さん登場。一人増えたところで語りは再開され、夜は更けていく。3シーズン化繊シュラフの舟木君は震えながら早めに眠りに落ちていた。


28日(木)

大塚さんと大山君が朝食を準備してくれて7時過ぎにいただきます。かなり冷え込んでいる。散歩の方が何人か通りがかる。登山が趣味というおばあさんと話す。

8時過ぎ出発。とりあえず北上して日本唯一の宗教都市・天理市へ行こうということになった。国道169号線の走りにくさに辟易しながら進む。天理市街地が近づいてくるとなにやら変わった塔のようなものが見える。天理教の施設かと思ったら、天理市役所であった。さすが。天理市民の何割くらいが天理教の人なんだろうかとか考えながら天理教総本山に乗り込む。でかくて立派。後で見ることになった東大寺と張る大きさ。天理教関係の人は黒い法被を羽織っている。背中に「天理教」または「TENRIKYO」と書かれている。若いオネーサンもいた。ちなみに天理教のスローガンは「陽気ぐらし」なんだそうな。

さて、ここから斑鳩の法隆寺へ行くか奈良の東大寺へ行くか。東大寺に決まり、さらに国道169号線を苦労して北上。11時半ころ春日大社の前に到着する。鹿が現れた。鹿を見ながら全員そろうのを待ってから奈良女子大学を突撃。食堂で昼食を食べて奈良女サイクリング部に顔を出そうということのようだ。女性が2人いてよかった。ヤローだけでは突撃は不可能だ。食堂を見つけて入ると基本的にルネと変わらない。非会員割増料金を払って食堂の外の机で食べる(中では浮きまくるため)。さてサイクリング部なのだが、そもそも奈良女子大にサイクリング部があるのかどうかも明らかでない。僕はあると聞いていた気がするが気のせいか。ボックス棟に行ってみる(うちとちがって全然人がいなかった)が、サイクリング部は発見できずに退散。東大寺に向かう。

東大寺には京都と同じく修学旅行生の姿が見えた。鹿のエサを買ってまこうとすると群がってきて大変。大山君はうまく鹿を手なずけている。鹿がお尻から排出したものを見てチェンさんが「カリントウ!」と言った。チェンさんは本来のカリントウを知らないので、「カリントウ」は動物のこれを一般的にさすスラングだと思ったようである。まずい、まちがった日本語を教えてしまった。いつか誤解を解かなければなるまい…8

東大寺の本殿の建物は世界最大の木造建築9だそうだ。みんな知ってましたか? 恥ずかしながら僕は知りませんでした。大仏を拝んで、あの穴の開いた柱の通り抜けにチャレンジ。前回来たときは大人の男は無理だろうと思っていたが、大塚さんも花井君も通り抜けてしまう。チェンさんに “Try.” とか言われてやらざるを得なくなる。で実際やってみたらなんと通れた。僕が通れるってことはたいていの人は通れるはず。おみくじを引いてみたらニュージーランド出発前の僕と花井君が凶、僕にいたっては「旅行…良くあらず」とまで。ニュージーランドから生きて帰ってこられないかも? リアルにへこみかけた10

二月堂へ。鐘のところでスリープ。知らぬ間に激写されていたらしい。こんなもん撮らなくていいですよ。鹿のフンという名のチョコレートを買って食べたらおいしかった。でミーティングに間に合うようにそろそろ帰ろうということで近鉄奈良駅に向かったのでした。京都に帰ってきたら雨が降り出していて、BOXまで帰るのがちょっとだるかった。


というわけで、走行距離50kmのツアーが終わりました。普段のうちの部のツアーと違ってとてもノンビリしていて、いかにも「サイクリング」という感じでした。7人で賑やかに走れて楽しかった。たまにはこんなツアーもいいかもね。

1 りんこう。鉄道などに乗り込むために自転車を解体して袋に詰める作業のこと。袋に詰めた状態で(公共)交通機関を利用して移動することも含む。


2 野宿する場所のこと(テントを張るかどうかは関係ない)。あるいは一般に泊まる場所のこと。ツアーにおいて良テン場を見つけることは重要である。部には良テン場情報の蓄積がある。


3 春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山 持統天皇


4 レーサーパンツ。股のところにパッドが入っていて、自転車のサドルに長時間またがっていてもおけつなどが痛くなりにくい。脚にぴったりフィットするので、腿などをサポートするが、自転車を降りるとちょっと恥ずかしい?


5 ジュースやアイスクリームなどをかけてジャンケンし、負けた人が全員分払うという過酷な儀式のこと。売られたケンカは買いましょう。


6 肉一人当たり300gなど食べきれるかどうかわからない量の食材や値の張る高級食材を買いこむとをさす場合が多い。春合宿・たくさん走った日・でかい峠を越えた日・久々に都会に出てきた日・誰かが合流・離脱する日などに決行されることが多い。(類)祭る


7 モコモコした寝袋にくるまってあまり動かない状態(あるいはその状態のままモゾモゾ移動する様子)をさす。モンベル社製の寝袋には節のように見える部分があって、その寝袋に人間が入っているシルエットは確かに芋虫によく似ている。


8 春合宿のときにカリントウを持っていってチェンさんに見せて事実を説明しようと考えていたが、チェンさんが春合宿に来なかったので、この文章を書いている時点で誤解はいまだに解けていない。


9 ちなみに第2位はニュージーランドの首都ウェリントンにある旧政府公邸。見てきたぞ!


10 結果的にこのおみくじは…はずれたと思う。

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